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都心から外れた郊外に喫茶店があった。
その名も『デイドリーム』。デイドリームとは“白昼夢”の意だ。
『デイドリーム』の店主、榊木多見男(さかきたみお)は、無口な男だった。その分、彼は目で『喋って』いた。というのは、店に来る客の様子を、鋭い観察眼で見ているのだ。
その孫息子である榊木多聞は正反対のお喋りで、そのくせ大飯喰らいでもあった。
そして、客に出す料理をつまんでは祖父に叱られるのが日常風景になっていた。
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