喫茶探偵

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『デイドリーム』に来るのはマニアックな客や、常連からさらには若いカップルなど客層は様々だ。 「あっ、多聞さん食べちゃ駄目です!」 今日も多聞は客に出すはずの料理をつまんでいた。 そしてそれをたしなめているのは多聞より四歳年下で高校二年生のバイト、一ノ宮璃世(いちのみやりせ)。 「多聞君、ボクが注文した『大盛クリームオンプリンチョコソースがけ』はまだかい。かれこれ一時間は経っている気がするんだが」 今喋ったのは璃世の六歳上の兄、一ノ宮英人(ひでひと)。これでも刑事である。妹大好きなためこの店の常連だ。ちなみに金持ち。 「え。あ、大変。チョコソースが切れてたみたいだ」 「何っ、早急に買ってくるんだ!」 兄さん、目の前で多聞さん食べてるの、気づかないのかな。 璃世は心の中で疑問を口にした。 「大体さ、一ノ宮先輩こんなのより数倍いいモン食ってるでしょう。なんで毎日来るんですか」 「お前、ありがたい客に向かってなんという言い種を……」
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