喫茶探偵

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英人は怒りでわなわな震えているが、まったく臆する様子のない多聞。 「というか、いつまで先輩と呼ぶ気でいるんだね君は。もうボクは君の先輩ではないんだぞ。ボクは立派な刑事だ。君は喫茶店の手伝い。もう先輩後輩の上下関係ではないのだぞ」 「まぁ確かに。言ってることはわからないでもないですが、立派な刑事がどうして真っ昼間から喫茶店でのんびり大盛クリームオンプリンチョコソースがけなんか食ってるんですか」 「うるさい、今はそういう話をしているんじゃない。そうだった、クリームオンプリンチョコソースがけはまだか」 「え。あ、大変。チョコソースが切れてたみたいだ」 「何っ。早急に買ってくるんだ!」 「何してるの二人とも……」 「これ多聞。お前はまた料理を食べやがって。急いで作り直すんだ!」 祖父が一喝すると、多聞はやや縮み上がり、やれやれというように厨房にすごすごと戻っていく。 「あれ。チョコソースが切れてたんじゃなかったのか」 璃世の兄は哀れだった。というより馬鹿だった。
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