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そして、明後日。待ちに待った日。お兄さんと久々に会える。
お兄さんは、私が小さいころから面倒を見てくれていた。拓斗と喧嘩した日、家出した日、受験が嫌で憂鬱になっていたとき、どんな時でも兄弟がいないわたしにとっては頼れる兄弟のようなもので、きっとお兄さんからしたらわたしは弟の幼馴染、よくいっても妹のような存在なんだと思う。
確かに、私にとっても、お兄さんみたいなものだけど、それだけじゃない。ずっと好きな気持ちもある。いつからと聞かれたら曖昧だけど、たしかに好き。拓斗もそれを知っている。
おい、時間かかりすぎー。
拓斗の声がした。
わたしは、服に化粧、髪型まで、最高におしゃれしようとしていた。だからすごく時間がかかった。
お待たせ!
私が言うと、少し拓斗は驚いていた。目もあわさず、チラっとみてから
決めすぎだよ!
といった。
その日のわたしの恰好は白のワンピースに黄色のカーディガン、揺れるピアス。
化粧だって決まっていた。
その日の拓斗は照れて見えた。
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