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さっきの言葉がぐるぐると回る。
俺にしとけって、どういう意味だ?
そのままの意味だろうか?
どうしてそんな事を言うんだろう、宮倉は男が好きなはずはないのに。
自分が考え付かない婉曲表現だろうか?
宮倉の手が松浦のコートをゆっくり脱がした。
ネクタイも、シャツも、全て取り去られて寒さに震えた。
まだ部屋が暖まる程暖房は利いていない。
「寒い?」
聞いたこともない優しげな声に頷く。
どうして……さっきまであんなに自分を馬鹿にしていたのに。
宮倉の変わりように付いていけない。
戸惑う松浦を温めるように宮倉は優しく抱き締める。
どうして?
なんで?
聞きたい答えはこの、自分を抱き締めた身体が知っている。
それなのに、
それなのに、どうしても聞けない。
自分を抱く熱を逃したくない。
そんな自分が情けなくて、馬鹿だと思う。
それでも松浦は宮倉の中で目を閉じた。
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