5話

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気に留めないようにずかずかとバスタブに入ってくる羽振。 彼もシャワーを浴びる。 服を着ている時よりももっと細くて、筋が張っている体。 「ぬるいね、これくらいが好きなの?」 お湯を胸で受け止めながら言う。 「あんまり熱いのは好きじゃなくて」 見上げると、そこに羽振の顔。 眼鏡のない目と目が合う。 そういえば、初めて見た。 「まあいいか。 あ、このユニットバス、結構隣に声が漏れるから気を付けて」 そう言うなり、背中へ腕を回して引き寄せられた。 そんなことを言われたら、気になって声を出せなくなる。 額にお湯が当たる。 思わず目を閉じる。 髪の毛は濡らしたくなかったのに。 お湯と一緒に唇。 ぬるめの温度。 少しづつ強く吸われる。 硬い胸板に体重をゆだねてしまうと、安堵感が体を包む。
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