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舌を舐る音に酔っていると、不意に唇が離れた。
次は体を後ろ向きにさせられる。
ユニットバスの壁に胸を押し潰す態勢。
映子は顎を上に向かされ、手で口を覆われた。
「声、出さないでね」
耳の奥にそう吹き込むと、羽振は指を差し入れた。
「!……」
羽振の指がお腹の中で生き物のように蠢いた。
脚の間から吹き上がる切なさ。
映子は悲鳴を飲み込む代わりに、羽振の指をきつく噛んだ。
羽振は更に強くした。
映子の腰が答える。
もっと、と言うように。
羽振はもう一つ増やしてくる。
応じた映子は羽振の指を、今度は口に含む。
舌先で指の腹をなぞる。
指紋が分かるほど、感覚が尖る。
一番奥を突かれる。
尖りに触れて、感覚がショートする。
映子は膝から力が抜けた。
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