5話

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羽振は崩れ落ちる映子を抱き留め、バスタブの縁に座らせた。 「腰が抜けちゃった?」 耳元で囁かれる問いに、映子は頬を真っ赤にした。 「そこのバスタオルを使って。 あと、サイドテーブルにミネラルウォーターが出してあるから、飲んでいて」 言われたとおりにバスタオルにくるまると、映子はふらふらとベッドに腰掛けた。 日に当たって、硬く乾燥したバスタオルが肌を刺す。 脚が閉じられないほどの強い余韻。 なんでここまで。 映子は思い当たった。 一カ月かけて、自分の感覚がこんなになってしまっていたのだ。 羽振に何度も何度も仕掛けられていた。 多分この日のために。
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