5話

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サイドテーブルを見ると、ミネラルウォーターのボトルの横には、柔らかい光を放つLEDキャンドルと煙草のような形をしたゴムの箱。 ベッドには白いシーツとは別に、濃いグレーの大判のバスタオルが敷かれている。 気恥ずかしいくらいに準備万端。 そして今、目の前には、シャワーから上がった腰にタオルを巻いただけの羽振。 まだおさまっていない姿。 「水、飲んだ?」 「……はい」 映子のすぐ脇に座った羽振は言った。 「あんなになるとは思わなかった」 耳朶を口に含まれ、歯を立てられる。 それだけで映子は力が抜け、ベッドに倒れ込んだ。
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