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呪文を唱え終わり床に剣を突き刺すと、部屋の半分の床が無数の細く鋭い針状に隆起した。
「剣山串刺し出来上がりっと…」
天井まで届きそうなソレは、見ててさながら生け花の剣山を大きくしたような印象を受ける。
いや、剣山よりも針と針の隙間は少ないかもしれない。
針山地獄…と言う表現にぴったりなソレに全身を貫かれたワーウルフもどきはおそらく生きてはいないだろう。
よしんば生きてたとしても再生はできまい。
「終ーわりっと!」
ショコラが床から剣を抜くと隆起していた針山地獄も元の床に戻った。
ワーウルフもどきの肉片はかなり細くなっている。
…どうやら自慢の再生能力も意味を為さなかったらしいな。
「さーてさっさと次行こうか?早くしないと他の人達に取られちゃう」
「へいよ…次はどこ?」
「相変わらずの強さだな…この発信機を見れば分かるハズだ」
俺の時とは違った意味で呆然と立ち尽くして見ていた奴らの中で、唯一ショコラの実力を知ってた顔見知りの教官が苦笑いしながら受信機のタブレットを渡す。
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