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「もしソレを見越して研究を残したんだとしたら…多分私たちはあんたに一生敵わないし、一生頭が上がらないと思うの」
「…ありえない、買いかぶり過ぎだって」
「それがそうとも言えないんだよ」
マキナが俺の腕にまた絡みついてくる。
「あんた…程人は私たちの考えや性格をかなり良く知っている」
「だから将来私たちが上にのし上がるために上の人と容易に肉体関係を結ぶ…という事に思い至った」
「それは…流石に」
「いいから聞きなさい、思い至ったそれが意識的か無意識なのかは分からない」
リザリーは俺の口の人差し指を当てて黙らせた。
「私たち…ショコラも合わせてだけど、ずっと考えてたの」
「程人がなぜあんな急に狂ったように人体実験や研究を始めたのかを」
「養成学校時代からずっと納得できなかった…全然腑に落ちなかった」
「だけど、私たちのために残そうとしてやってたんなら全てに理由が付く」
「全部納得できるし、ストンと簡単に腑に落ちる」
まだリザリーは俺の口から人差し指を離さない。
…まだ黙って聞いておけ、という事か。
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