第1章

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蛍がいなくなっても私の生活に大きな変化はなかった。 ただ、当たり前のように日々が過ぎて行く。 当たり前のように夏が終わり、秋が来て、冬が訪れ、春になり・・・ 私は高校二年生になった。 春が終わらなければいいのに・・・ 夏になったらきっと蛍のことを鮮明に思い出す。 蛍を想うとまだ胸が痛む。 私はいつものように登校し、なんとなく空を眺めていた。 ぼんやりしていると後ろからドンッとどつかれた。 「よー、清!!クラス替えみたか?」 痛みに顔を歪めながら振り向くと爽やかな笑顔を浮かべた短髪の男が立っていた。 「颯太・・・痛いよ」 篠原颯太(ささはらそうた)は私の幼馴染。 こいつとは家が近いことや毎年同じクラスということもあって、一緒にいることが多い。
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