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男一人暮らしのため部屋の中は適当にごちゃついている。それでも大学生の男の部屋なんて大体こんなものだろう。
冬は冷えるし、夏は死ぬほど暑い。しかし、台所や風呂、トイレがあれば充分だ。
今は冬だからこたつを出しているため部屋は大分狭くなってしまった。布団を敷けるスペースが一畳だけ残されているだけだ。
世話好きの彼女でもいれば、もっと綺麗な我が家になっていたかもしれないが、そこは気にしてもしょうがないのであまり考えないようにしている。
いつもは大学から帰ってくるとほぼ零時を過ぎている。
現在、1時ちょい過ぎ。いつもならさっさと寝るところだが今日はそうもいかない。
「お茶ありがとうございます。でも飲めないんです。ごめんなさい。」
女の子の幽霊は申し訳なさそうに謝る。
「でも、温かいです。」
湯飲みを両手で包み込んだ。自分が触りたいと思った物には触ることができ、温度も感じられるのだそうだ。
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