第1章

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「えっ。その時大門さん、僕と話してなかった?」 「話してましたけど、日向さんとも話してましたよ。 太宰治の話で盛り上がった記憶があります」 「そっかー」 先輩はそう言うと、誰にも言わないから、と言ってほかの人の所に行ってしまった。 後にはおそらく恥ずかしくて顔が真っ赤になっていたであろう私が残された。 そして私は斜め前の先輩の様子をみて一人でキュンキュンしていた。 なんてかわいいんだろう。 日向さんがたまにする人差し指同士を合わせる仕草、あれがかわいくてかわいくてしょうがない。 どうしよう。本当に、好きなんだ、私。
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