巻き込まれなかったぜ

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   ジリリリリリリッ。  目覚まし時計が鳴る音が響き、止めた。時刻は6時45分を指している。目を覚ました俺は目をこすりながらベッドから起き上がり、洗面所に向かう。  顔を洗った後、制服に着替え、昨日買ってあったパンを食べながら冷蔵庫にある牛乳をコップに注いで飲んだ。 俺に両親はいない。3年前に事故で亡くし、それ以降一人で生活している。  俺はこれほど世界を憎んだことはなかった。それは一つの、出来事。  あいつに出逢わなければ、全く違った世界の中で生きていたのだろう。あいつは覚えていないだろう。両親の事故の直接な原因があいつにあった。  通り過ぎるとだれもが振り向くようなイケメンで、成績が優秀でスポーツが万能。  それはそれでよかった。しかし、無駄に正義感が強く、かなり鈍感でどれほどに迷惑してきたか。 「……げふぅ」  げっぷがでた。
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