第一章 目覚め

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紗江理は部屋に入るなり服を脱ぎ捨て、浴室に直行した。 蛇口に手をかける。 「つめたっ」 給湯の電源を入れ忘れていたせいで冷水をかぶることになった。 急いでスイッチを押す。 だんだんと、冷たかった水が暖かくなる。 ここ最近無理をしているせいか少し痩せた気がする。 昔から小さかった自分の胸が、さらにそげて貧相に見えた。 やばいな、これは。 女として… 15分ほど体を洗い終えると、バスタオルを巻いたままキッチンに向かう。 電気ケトルに水を入れスイッチをオンにする。 そのままリビングに向かうと、 面倒くさがってたたまずに放置してある洗濯物の山からブラとパンツを引っ張りだした。 キャミソールとストッキングを履いたところで、ケトルがカチッと音を立てて、お湯が沸いたよ、と知らせた。
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