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今朝もまた目覚めればそこに、見知らぬ天井―
毎朝午前7時。
目覚ましもかけずに誠一は目覚める。
大きく伸びをしてから、そっとベッドを抜け出す。
寝ている部屋も。
隣にいる女性も。
毎朝違うことが、彼にとっては日常茶飯事だ。
昨夜と同じ服を手早く着て、洗面所で身だしなみを整えていると、ついさっきまで彼の隣で眠っていた女性が目を覚ました。
「んー・・・」
(目が覚める前に帰るつもりだったんだけどな)
そんな本音は一切見せずに、彼女の許へと戻る。
「おはよう」
彼女は気だるそうに口を開く。
「井上さん、もう帰るの?」
「ああ」
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