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襟ぐりの深い白いTシャツの上からネイビーのジャケットを羽織る。
自分の方を見ようともしない誠一に、相手の女性は呆れたように微笑んだ。
「噂通りなのね。ヒドイ男」
「本命は作らない主義なんだ。でも、良かったでしょ?」
「うん。ソッチは噂より良かった」
慣れた手つきで頬を引き寄せ、軽く唇を重ね。
「じゃあね」
腹立たしい程に爽やかな笑顔で彼は別れを告げる。
「またのご来店、お待ちしてますよ。お姫様」
そして、振り返ることもなく女性の部屋を後にした。
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