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羽振は映子が眠るはずのベッドに直行し、靴を履いたままうつ伏せに倒れた。
「羽振部長」
十分に怒りを声に乗せる。
しかし応えない羽振を不安に思って、映子はベッドに近寄った。
「部長」
もう一度声をかけてみた。
返事がない。
映子は肩を叩こうと、手を伸ばした。
その手首を捉えられた。
強い力で引かれ、映子はベッドの方へ倒れ込んだ。
天地の感覚を一瞬失った映子は、気が付くと羽振にのしかかられる態勢になっていた。
上から見下ろしている、セクハラ部長。
映子の手首を痛いほど抑える。
こんな風に力で抑え込むなんて。
怒りが映子の目の前を赤く染めた。
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