1話

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羽振は映子が眠るはずのベッドに直行し、靴を履いたままうつ伏せに倒れた。 「羽振部長」 十分に怒りを声に乗せる。 しかし応えない羽振を不安に思って、映子はベッドに近寄った。 「部長」 もう一度声をかけてみた。 返事がない。 映子は肩を叩こうと、手を伸ばした。 その手首を捉えられた。 強い力で引かれ、映子はベッドの方へ倒れ込んだ。 天地の感覚を一瞬失った映子は、気が付くと羽振にのしかかられる態勢になっていた。 上から見下ろしている、セクハラ部長。 映子の手首を痛いほど抑える。 こんな風に力で抑え込むなんて。 怒りが映子の目の前を赤く染めた。
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