1話

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ホテルに戻り、シャワーを浴びていると、本当にその音は聞こえてきた。 ドアを叩く音。 最初は他の宿泊客を気にするように控えめな音だったが、面倒くさくなったのか、遠慮がなくなって次第に大きくなっていく。 それほど強く叩けば、手が痛いのではないと思わず心配になるほど。 「羽振部長がドアを叩いても、絶対に開けちゃだめよ」 その言葉が、頭をよぎった。 ゲームなら、絶対に開けてはだめと言われたのなら、大抵開けないと先には進めない。 ドン、ドン、ドン。 更に音が大きく響く。
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