1話

13/14
85人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
バスルームから出て、部屋着に着替えた後も続く。 映子はどうすることもできなくて、枕を抱えた。 しばらくすると、外で別の人の声がした。 どうやら音が大きすぎて、他の部屋の宿泊客からフロントへ苦情が入ったらしい。 ホテルの従業員と話す声が聞こえる。 お部屋にお戻りください。 いや、ここがぼくの部屋だ。 お客様のお部屋は2階上の……。 仕方なく映子はドアを開けた。 「うちの上司がご迷惑をかけて申し訳ありません」 「ほら、言ったろ。 ここがぼくの部屋なんだ」 酒に酔った羽振は、よろけながら映子の部屋に侵入に成功した。 ホテルの従業員は、同情するような表情を見せながら静かにドアを閉めた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!