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今回一番広い会場で行われるフォーラム。 にも拘わらず客席は聴講者で一杯になっている。 しばらくして拍手と共に登壇する羽振と他の出演者5名。 堂々とした姿。 同じ会社だからという贔屓目なんてない。 切れ長の目に黒いメタルフレームの眼鏡。 細く引き締まった体つき。 残念だが、映子のいる法人向けソフト開発の男性社員ではなかなかいない。 やがて順番が回ってきた羽振は語る。 ゲームやソフト業界に関する見識は元より、政治経済の視点。 そしてそれらを総合して語ってみせる声、滑舌、身振り、手振り。 この業界ではまだまだ新参者なのだと思っていたが、他のよく名の知られたゲーム会社の経営者にも引けを取らない。
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