4話

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待って。 ここまできて、映子のなけなしの理性が発動した。 ここは10年間働いた職場。 あなたと違って、わたしは職場と情欲は両立しないの。 「……」 映子の指は羽振の唇を抑えていた。 多分涙目で。 嫌と言えば、何もしない。 羽振は最初の夜に言った通り、手と脚を引っ込めた。 羽振の目は赤く血走っていた。 呼吸が浅くて、苦しげ。 「……ごめん」 突然羽振は倉庫のドアを開け、外に出ていった。
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