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私が質問に対して唖然としていると
「そんな風になった原因、助けた私には聞く権利があると思いますが?」
「そ、それは…」
尚も追求してくる。
しかも、恩着せがましく。
「言えないのですか?」
「…別に…桐島に言う必要はないと思うけど」
そう、幾ら助けて貰ったからとは言え、そこまでプライベートを曝け出す必要なんてない。
「そうですか。では、質問を変えます」
「な、何よ」
あっさり諦めたかと思えば、今度は違う事を聞いてくるらしい事に身構えた。
桐島はメガネを中指で押し上げて
私を見据えてくる。
その眼の鋭さに思わず
コクリと固唾を飲んだ。
「…相楽…」
「ッ!?」
ぼそりと出された単語に
身体がビクリと無意識に反応してしまった。
その瞬間、桐島の瞼がピクリと反応した。
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