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「珈琲しか有りませんが」
コトリと目の前に置かれたマグカップ。
「…どーも」
余計な物が殆ど無くて。
綺麗に片付けられていて。
殺風景な部屋。
部屋にぽつんとあるテーブルとソファー。
其処にしか座る所は無くて、私は所在無さげに座っていた。
必然的に隣へ座る桐島。
ギッとソファーが沈む。
…今更だけれど部屋に二人きりは不味いかな、とか。
頭の中で戸惑い出した頃…
「それで…何があったんですか?」
横から響く低い声。
「…」
何を何処からどう説明したら良いのだろう。
全部を話さなくても良い…とは思う。
だって、そんなの私が惨めになるだけだから。
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