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「まさか…それらしい事を言ってサッサと逃げるつもりじゃ有りませんよね?」
横から冷たい視線が突き刺さってくる気がする。
「…べ、別にそんな事…」
「思ってないのなら話してくれますよね?」
言葉尻を捉えて催促してきた。
「それとも、言えないのですか?」
無表情に此方を射抜く様に見てくる。
「煩いな!わ、わかったわよ!言うから待ってなさいよ!」
今日はヤケに執拗に問い詰めてくる桐島に苛立ち、
思わず言ってしまった言葉。
表情は変わる事なく
スッと眼鏡を上げた桐島。
…ダメだ。
完全にコイツのペースだ。
何を言っても無表情な癖に。
何でこんなにも私に突っかかってくるのだろうか。
何の得にもならないのに。
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