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「金曜」
ボソッと呟いた桐島。
その言葉にハッとなる。
金曜の夜に桐島が言った事と。
先程、言われた事。
『何があっても笑顔で返したら良い』
ソレを理解した瞬間、
何も鞄で攻撃しなくても良いじゃないかという怒りも湧いてきて。
ふるふると、拳が震えた。
「廣川、どうした?」
「い、いえ、何でも」
私の異変に気付いた遊川部長に曖昧に笑んだ。
「なら良いが。桐島、此れからも頑張れよ!」
「はい」
部長の言葉に無表情に答えた桐島。
遊川部長はトンと、桐島の肩を小突いてデスクへと向かった。
訳の分からない遣り取りに
思わず桐島を睨めば…
「仕事の時間です」
無表情に私の側から離れた。
メガネめ…
後で問い質してやる。
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