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そんな彼女が
私をジッと見つめてくる。
「どうしたの?」
「噂の真相は如何程かと思いまして」
コロコロとキャスターを動かし
近付きながら真剣に私を見つめてくる。
その様子が可愛くて。
思わず顔が和らぐ。
「ねぇ、その噂って…」
そう口を開きかけた時、
「廣川、準備出来たか?」
「…出来てる」
動揺なんてしまいと
必死に顔を作った。
今、最も気不味い相手と仕事しなくちゃいけないだなんて。
仕事の試練ならまだしも…
こんなのは要らない。
社内での関係は厄介だ。
ましてや同僚で
同じ課なのだから最悪なのだ。
分かっていた筈なのに…
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