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「準備出来たなら行くぞ」
「…分かった」
私の言葉を最後まで聞かずに
身を翻して歩き出した相楽。
きっと今、不機嫌。
今迄の付き合いのお陰で
分かってしまう相楽の感情。
理由なんて分からないけど
週末に起きた事を思えば
私が関係してるとは思えない。
私の事なんて…
所詮その程度だったんだ。
「先輩大丈夫ですか?」
「え?何が?」
「顔色…悪いみたいですけど」
「そう?気のせいよ。じゃ、外行って来るから」
心配そうに見てくる村上さんを見ないフリして
足早にフロアを出た。
後輩に心配されちゃダメだ。
もっと…普通にしていなきゃ。
そう、何でも無い振る舞いをしなければ。
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