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相楽の嫌な目付きと
週末にされた事を思い出して
座っているというのに
目眩がする思いだった。
「結局…お前は俺に本気じゃ無かったって事だろ?」
「なに…それ…」
相楽の蔑む様な目に喉の奥が焼け付く様に熱くなる。
「あんな事が有っても冷静なんだもんな。責めもしないし、連絡もないし…所詮俺はその程度だったんだろ?」
「…っ…な、にを…」
相楽の言ってる意味が分からない。
私が冷静?
そんな訳ないじゃない。
あんなに無様な姿を晒して
打ち砕かれていたのに…
貴方が知らないだけで
どんなに苦しんでいたか…
そう言ってやりたくても
きっと、何を言っても無駄なんだと
言ったところで
戻れる訳でもない
戻りたいだなんて思いは…
膝の上に置いた拳をぎゅっと握りしめた。
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