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何も考えない様に
画面にひたすら向かって
余計な事を思い出さない様に
仕事に集中していた。
コツコツと誰かが
近付いてくるのに気付いて。
振り向けばヤツが
私を見下ろしていた。
「何故電源を落としてるんですか」
「…は?」
唐突に投げ掛けられた言葉に
苛立ちが含まれていて
不快な気分の声が出た。
「電話、繋がりませんが?」
「あ、あー…」
桐島のその言葉で
相楽のせいで電源を切っていたのを忘れてた事に気づく。
「まさか…」
「あ、充電切れたのかもね」
余計な詮索はされたくなくて
咄嗟に出たセリフ
「嘘ですね」
「…本当だから」
嘘を見抜かれ
内心ドキリとした。
何故、バレる。
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