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小料理屋のカウンター席
真横でしれっと酒を飲んでる男。
日本酒とか…
コイツとこうやって飲む日が来るだなんて世も末ね。
「家、どうするんですか?」
「へっ?」
まじまじと見ていた為
不意に横を向いた桐島と
目が合ってしまった。
「引っ越す予定だったのでしょう?」
「あー…うん。まぁ…」
ごにょごにょと口籠ってしまう。
本来なら…
相楽の家に引っ越す予定でいたから。
「いつの予定でいたんですか?」
「…今月中」
「見つかりました?」
「…全然」
そう、もう時間が無いのに見つかっていない。
時間が無いから見つからない…に等しいのだけれど。
目の前で溜め息をつく桐島。
きっと呆れてるに違いない。
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