160人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
「荷物、これで全部ですか?」
「…そうよ」
自分の思考の甘さに
落胆せざるを得なかった。
確かに時間が無かった。
部屋を探したりしていたけれど。
見つからなくて。
いつもなら決してする筈のない判断をしてしまったのだ。
…最悪だわ。
この、無表情に中指で眼鏡を押し上げてるロボット。
「不機嫌ですね」
「煩い。ほっといて」
身を翻し、部屋へと入った。
どういうつもりなんだか知らないけれど。
手伝ってくれてるからといって、
重たい荷物も有るし、
実際助かるからといって
気を許してなるものか。
きっと、ろくな事にならないんだから。
最初のコメントを投稿しよう!