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足早に歩いてたからか
小さな段差に躓いて
前のめりに
見事なまでに
派手に転んだ。
散乱するバッグの中身。
あぁ…
ホント、最悪だ。
っんで、こう…
ツイテないんだろ
コロコロと手許に転げてくる
ピンクのリップグロス。
『似合ってるよ。この色が一番好きだ』
……ウソつき
嘘つきだ。
リップグロスをぎゅっと掴んだ手の甲に
ポタリと滴る水。
「…っ」
堪える嗚咽。
ダメだ。
このままでは泣き叫んでしまう。
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