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無表情な、男。
「何をしてるんです？」
「…っ…別に」
差し出されたキーケースを取ろうとしたのに躱され
更に見下ろされている事に苛立ち
睨みながら見上げて言った。
「は、その様でそう言う事をいうんですか」
「貴方には…か、関係ない」
盛大に溜め息をついたのだから
さっさとその場を去るのだと思ってたのに。
何故か絡んでくる。
「はぁ…」
しかも、絡んできた癖に
また溜め息つかれて。
悔しくて下唇を噛み締めた。
すると、徐に人の腕を掴んだかと思えば
無理矢理私を立たせて
目の前の建物に向かった。
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