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PiiiiiiIiiI――――
TUuRRRRRRRRRRaA
「いやぁあああああああ――!!」
AAAAAPPPpPpPIiI
iIiLaRLREEEeeeE
LRLRLRRARARALRR
RGAaaAAAAA――GGG
「やめてぇえええっ!!」
GGaAAaaAAあははっBi
――――iiiIIIIPPPi
「やめてぇえええぇえぇえ!!」
iIii――GaGAGaAAA
AAaaaaAAAAaaeea
あはははははっaaAAAaAa
AaaAaRRrRRaRAA!
十二時と共に鳴り響き始めた無機質なメロディーが、まるでこの時を待ち侘びていたかのように鳴り始めた。
その中に混じってくる、布団にもぐっている女性とは別の女の狂喜に歪んだ高笑いが、けたたましく耳を劈き、部屋中の静寂を揉消すように音が空間を支配した。その音は期待を裏切られた女性の絶叫さえも踏み潰して鳴り響く。
――電池パックは抜いた! 充電が残っているはずない!!
――だって、充電って電池パックの中に残ってるものでしょう?!
――UMIカードだって抜いて切った!
――何で、何で!? どうして着信してるの?!?!
なおも携帯電話からは内蔵されているメロディー音が乱雑に入り乱れて、一つの不協和音を奏でる。まるで命が宿ったかのように、携帯電話は机の上でバイブレーションを勝手に起動して身を振るわせた。怯える彼女をガタガタと嘲笑い、身を壊された携帯電話は暴れた。
電力を失い、起動することも叶わないはずなのに、それを大したことはないと自慢げに。
受信先であるUMIカードが抜かれて、行き場を無くしたはずのメールは自力で携帯電話へ辿り着いた。
――何で?! どうして!?
――何で動くの?!
――どうし…。
突如、女性の思考は遮られた。
そして、反射的に布団の中に身を隠した。親に寝ているかチェックされにきた子供が、慌てて布団を被って狸寝入りを決行するように、布団を頭から被る。
『居る』。
暗闇に慣れたにも関わらず、彼女の目では視認出来なかった。
出来なかったが、確かに、肌が感じ取ったのだ。
『何か』が突然、それは水が湧きでるように『現れた』のだ。
目には見えない『何か』。
だけれど、それは確かに存在している。
目の前に、『居る』。
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