序章 『ユウキ君』

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ユウキ君ごめんなさいごめんなさ いごめなさいごめんなさい許して ごめんなさいごめんなさいごめん なさいごめんなさい助けてごめん なさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめん なさいごめんなさい助けてごめん なさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさい許してごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめん なさい助けてごめんなさいごめん なさいごめんなさいごめんなさい 許してごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめん なさいごめんなさいごめんなさい ごめんなさいごめんなさいごめん なさいご『許さないよ』んなさい ごめんなさいごめ…――――― 許さないよ。僕たち友達だもんね? 今日は僕が君を僕の家に招待する日なんだから! 友達を裏切った罰はそこで与えるからね?  喜々として鬼気としている声に、彼女は理解した。 「ぁ…うぁ…だ、ず。げ…」  いやいやと、弱々しく、力なく、首を、右に、左に、右に、左に、右に、左に、右に、左に…――こきざみに、小さく、小さく、小さく、首を、首を、首を、振る。  目尻から、じわり、じわりと微熱が零れ出した。 あはははは! あはははははは!  ははははっ、あははははははは はは! はははっ!あはは! あ はは! あははははは!! あはは ははははっあはははははっははは はっはははっはははっははははは  布団ごと締め付けられたまま、ずるずると引きずられる。  そして、彼女は全身に浴びた冷寒な気配に、悲鳴をあげること叶わず目を剥き出した。  その先に、『ある』。  闇の中に、部屋の中に、  彼が招待するといった『家』に『続く道がある』…――!  絶望に染まった驚愕が、頭を支配した。  『クローゼット』の中にある!!  『開いてる私のクローゼットの中にある』!!
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