第1章

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入学式を終え、自分の席に戻ると、机の上に小さな冊子が置いてあった。周りを見渡すと、みんなの席にも同じものがあった。パラパラとめくってみると、部活の紹介がたくさん載っている。どうやら上級生が配ったものらしい。バスケットボール部にバレーボール部、吹奏楽部。その他にもたくさんの部活があった。それぞれのページには可愛いイラストや写真などを使い、自分たちの部をアピールしている。新入生へのメッセージも書いてあった。 「部活かぁ」 楽しそうだけど自分にはどの部がいいんだろう。中学では入ってなかったし、してみたいなあ。 ふと隣の席を見ると、その子も同じ冊子を見ていた。ゆるいウエーブのロングヘアがとても似合っている可愛い女の子だ。 「あ、あのっ」 美奈子は思い切って声をかけた。 「何か部活入る?」 その子はうーんと言いながら 「どうしようかなあ」とふんわり笑った。 「あ、自己紹介がまだだったね。私、如月美奈子です」 「私は内山まりな。美奈ちゃんよろしくね」 「うんっ、よろしく、まりなちゃん」 あだ名で呼ばれたのが久しぶりで嬉しくて、声がうわずってしまった。 内山まりなは人見知りしないタイプらしく、屈託のない笑顔で色々と話しかけてくる。 「ねぇねぇ美奈ちゃん、今日一緒に部活見学行かない?」 「…行きたい!」 こうして2人は帰りに部活見学する約束をした。
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