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第2章
美奈子は毎日放課になるのが待ち遠しかった。
放課後に部室に集まって、みんなで過ごす時間はとても穏やかで居心地が良かった。5人はすぐに仲良くなった。
どうして私は今まで人と関わるのを避けてしまったんだろう。友達ができるのがこんなに嬉しいことだったなんて。一緒に何かをすることがこんなにわくわくすることだったなんて。この感じ、ずっと忘れてた。
美奈子とまりなが部室に入ると、もうあとの3人は集まっていた。
すると奈緒が真剣な顔で言った。「じゃあみんな揃ったからミーティングを始めよう」
「ミーティング…?」美奈子がつぶやいた。そういえば入部してからの一週間、一度もミーティングをしていなかった。
活動内容といえば、みんなで宿題をしたり、部室を可愛く飾りつけたり、おしゃべりしたり。
「うちらさ、よく考えたら天文部的な活動を何もしてないよね」奈緒の言葉に全員が頷いた。「と、言うわけで、今日は部長決めと、夏合宿の予定を立てたいと思いまーす!」
わあっと歓声が上がった。「さんせーい!」
「では僭越ながら、わたくし平井奈緒が司会をさせていただきます。部長になりたいひとー?」
沈黙が続いた。
「やっぱり立候補はなしか…じゃあ誰か推薦したいひとー?」
「はーい!美奈ちゃんを推薦しまーす」とまりなが言った。
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