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「テンプレートな教師たる戒めの言葉は今更言わないよ。去年私も言ったし私以外の先生方からはもっと言われただろう」
「……………」
シオミーは半ば呆れたような、それでいてどこか寂しそうに自分に向かって言葉をゆっくり放ってくる。
『学校をなんだと思っているんだ』
『将来のことはどうするの?』
『やる気のない生徒はうちには要らない』
確かそんなことを言われたような言われなかったような気はする。もう諦められているのか最近は言われないし随分と懐かしい気すらするが。
それでいてそんな態度も改めずに学校をサボりがち。中二心をくすぐる反骨精神の塊だ。やべーかっけー。
これと言って理由も無いのに。自分が学校をさぼるのに大した理由はない、よく聞かれはするけれど本当に理由はない。
中二病の見地から言えば家族との軋轢、同級生とのすれ違い、大切な人との永遠の別れ、はたまた暗黒豪炎魔皇(ダーク・インフェルノ)との聖杯(アーク)を巡る世界を掛けた異能戦争(セブンスクロニクル)に巻き込まれて。
そんな格好いい理由が有ればまだ体裁も保たれるのに。
ただなんとなく! 本当になんとなく! なんだか学校が億劫で面倒で足が遠のく、それだけの理由だ。中二病患者から見ても格好悪い。
シオミーはこちらの方を向くとしっかりと自分の顔を見て、自分と目線を合わた。
「私個人の意見だが『学校は楽しいぞ!だから来いよ!』なんてドラマみたいにわざわざ説得する気もないし、する必要性も感じない。お前がそうしたいならな」
「……………」
その視線はなんだか居心地が悪かったので自分からスッと横にそらす。
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