出会いの記録

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* 「んくっ……んくっ……」 コーラうまー。コーラってコカコーラが作りたもう奇跡だよ。世界文化遺産に登録して全人類が崇めるべき神の飲み物だよ。 赤い缶を片手にを徒歩通学の自分はとぼとぼと家への道を歩いていた。我ながら行儀悪いとは思うがその辺はご愛嬌、そろそろ暑くなってくるこの時期に褐色の炭酸飲料は体に染みる。 そう、一先ず家に帰って着替えなくては。こう見えても見た目は大学生かなんかと名乗っても疑われない程度には大人びていると自負している。 かといって流石に高校の制服を着た人間が昼からウロウロしていたらお巡りさんに捕まってしまう。時には鞄に私服を詰め込んでどこかの駅のトイレかなんかで着替えて学校鞄をコインロッカーに詰め込んで外でフラフラしてる時もあるが今日はあいにく鞄の中はスッカラカンだ。 一応今日は最後まで居るつもりだったんだよ。本当に本当に。 「……誰に言い訳してんだか」 ポツリと一人ぼっちで自分は呟いた。 自分が今歩いているのは寂れてしまった商店街だ。ここを真っ直ぐ抜けると自分の家がある住宅街はもう目の前。しかし寂れた商店街と言うだけあって真昼間だと言うのに今は人っ子一人歩いていない。夕方は多少はもうちょっと賑わいがあるが、今よく分かんない草の塊でも転がってたらさながら世紀末だ。 別に孤高に生きる戦士には憧れるけれど別にそんなカッコいい職業についてるわけじゃない。 自分はちょっと出席日数が足りないだけの普通の高校生だ。あと根暗とかあるけど普通ったら普通の高校生だ。 普通の高校生らしくバイトはしてるし別にぼっちって訳じゃない。コミュ力もそれなりにはあるし多分同性のクラスメイトに聞いたら全員が全員、四番目五番目に仲のいい友達ポジションに置いてくれていることだろう。言うなれば八方美人か。
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