出会いの記録

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如月渚ちゃんが通うのは私立桜彩高校。 私立桜彩学園はその名を全国に轟かせる日本屈指の名門校でそれ以外にもある理由で有名なのだ。そう桜彩学園にはもう一つの呼び名がある。 『人外魔境・桜彩学園』 そんな禍々しい名前で呼ばれる理由とは桜彩学園偏にこの学園の部活動にある。強い、強いのだ。 しかしそれは運動部の話ではない、強い──という表現が正しいのかは分からないが桜彩学園の文化部は例年数々の賞や全国コンクールの金賞などを獲得している。 吹奏楽部にしても美術部にしてもそう。はたまた文学部や囲碁将棋部、新聞部、軽音楽部や茶道部らオカルト研究部でさえ運動部で言う所のインターハイにあたる大会などで桜彩学園創立以来最優秀賞や一位を取り続けている。それも二位以下と比べるまでもなく圧倒的に。 人ならざるものと揶揄されるほどまでに才気溢れる者たちの巣窟、無敗の絶対王者、それが桜彩学園だ。 それゆえ一組から三組の特進科と四組五組の普通科以外の六組から十組は全員文化部に所属していて、より多くの時間を部活動に費やす為に授業は午前中のみとなっている。彼らは切磋琢磨して日々汗を流しているのだ。 と、そんなカッコ良さそうで『文化部だ』という事実が盛大に足を引っ張っている知識が自分の頭の中に『有った』。 確かに自分は桜彩学園──いや桜彩高校の生徒だ。そう桜彩高校だ。 桜彩高校は桜彩学園ほど面白おかしい場所ではない。一言で言えば普通の学校、まあ普通の進学校ってところか。後キリスト教?とかだった気がする。 自分は頭を掻いて目の前の友人達(仮)を見つめる。 彼女達はもちろん知っている。楽しくはないけれど学生の義務としての友人関係を築いている友人(仮)達だ。 それをふまえて、 ここはどこだよ?
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