出会いの記録

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自分の通う私立桜彩高校はそんな人外魔境(笑)なんて呼ばれていない。地元ではせいぜいガリ勉とかもやしとかそういう方面の認識だ。 というか大前提として自分が、如月ちゃんが通ってるのは桜彩『学園』じゃなくて桜彩『高校』。 どこの日本になんとか学園で名前が終わる学校があるんだよ?いやあるかもしれないけど少なくとも自分が知ってる限りは学園高校、と高校の最後の二文字は高校で終わるはずだ。 未だ如月ちゃんを哀れむような目で見ている三人の少女。自分はそれを見てとりあえず、 「……っ、わ、忘れて!!」 如月ちゃんは顔をカァッと赤らめて机の上に突っ伏した。おそらくようやく目が覚めて羞恥に耐えきれなくなったんだろう。って思われてるだろう。 ……、 暫く無言の時間が続く。けれど自分の予想ではおそらく、 「あー!もうこんな時間だ!」 「やっば!急がなきゃ!ほら渚もいつまでもそうしてないで!」 「あー!もう行くよ!怒られちゃう!」 その空気を打ち払うように三人は声をあげた。まあ、事実として時間がないのも確かなのだが。 予想どおりだ。 「えー……と」 「あ、うんごめんね」 「あ、こっちこそ──って本当にやばい!」 暫くは如月ちゃんを待っていてくれていたがさっきのビッグウェーブに乗り遅れた如月ちゃんはお弁当箱の片付けすら終わってない。 直接的には言わなかったがもう行っていいよ?と伝えると三人は申し訳なさそうにドタドタと教室を飛び出していった。案外本当に時間がなかっただけかもしれないけど、まあどうでもいい。
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