出会いの記録

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自分は今教室の中にいる。 いつもの風景から、日常からクラスメイト達だけを切り取ったような光景だ。ここでは自分は『如月渚』ではないのだ、二つくらいの意味で。 そんな心躍るようなシチュエーションにも関わらず自分の気持ちは晴れなかった。 もう一度自分に聞こう、ここはどこなんだよ? ポツリと窓際の一番後ろの所謂主人公及びヒロイン専用座席と呼ばれる自分の席に座って考える。 何とは無しに窓の外を覗いてみた。どこかのクラスがグラウンドで体育をしている。 「ため息も出ねーよ」 思考が止まりただそうとだけ呟いた。今日起きたことを頭でまとめようとするがそれすらも叶わない。 暫くの間ぼんやりとグラウンドを見ていた。 一つため息がでる。出ないって確かに言ったな、でもそれは嘘だ。まあため息を吐く理由が違うから正確には嘘ではないけれど。 ザックリ考えればアレかタイムリープと思ったらパラレルワールドに入り込んじゃった系のアレか。 黄色い救急車って一一九で来るんだっけ? でも現実としていつもと違う世界──少なくとも教室にいるわけで。頬っぺたを引っ張ってみたがやはり痛い。 こんなとこ見られたら急性恥辱症候群で血圧跳ね上がって心臓破裂して死ねる気がする。 ……ああ、もうなんか考えるのすら面倒になって来た。 死ねばいいのにこいつ。 そんな鬱発言が入り混じった脳内会議をいくらしようとも何も結論がでない。というより何の結論出そうとしてるのかすらわかんない。 ここはどこ?わからない。 どうすれば分かる?さあ? 疑問文を疑問文で返すなと小学校で習わなかったのか?はい、少なくとも小学校でそう教えていただいたことはありません。 こんな風にわからないことが分かり切ってるんだもの。
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