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「どうだ?いいの書けたか?」
どのくらい没頭していたのだろうか?
声の聞こえる方へ顔を向けると、主任がダイニングテーブルの椅子に腰掛けてこちらを見つめていた
「あ……す、すみません……私………」
「いや、別にいいぞ~なんか浮かんだんだろ?
こういうのはタイミングが大事だからな
最近お前行き詰まってたみたいだったけど、脱出出来そうか?」
すごい……主任いつもほとんどデスクにいることないくらい忙しくしてるのに、私がスランプなの気付いてたの?
「どうしてそれを……」
「んなもん、お前見てればわかるよ」
何故だか少し気まずそうに視線を逸らしてボソッと呟いた
「お陰さまで、なんとか脱出出来そうです
あまり認めたくないですが、主任のお陰です……ありがとうございました」
私の言葉に首を捻ると、テーブルに頬杖をつき真っ直ぐに私を見た
「なんだそれ……俺のお陰なのか?」
「はい、悔しいですがそのようです……」
「まぁよくわからんが、俺が役に立ったって事なんだな」
「はい、立ったなんてもんじゃありません!立ちまくりですよ!」
なんだか嬉しくなってニコニコ笑って言う私を見て、ビックリした様な表情を浮かべる主任……
「主任?……どうかしましたか?」
固まったまま動かない主任に問いかけると、ハッと我に返ったかの様に動き出した
「いや、どうもしない……
よかったな……脱出出来て
で、そっちはもういいのか?」
なんだか煮えきらない様子の主任に首を傾げるも、今はスランプ脱出が嬉しくて日頃の主任への違和感や嫌悪感も忘れて無邪気にはしゃいでしまった
「じゃあ、そろそろ始めるか
あ、その前にお前シャワー浴びるか?」
「え、シャ、シャワー!?
な、な、何でー!?」
あまりの驚きにソファーからずり落ちそうになる
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