**長い夜**

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「着いたぞ」 そう言って車は地下の駐車場へと入って行く あれから私のマンションに寄ってもらい、部屋に戻った私は少しラフな服に着替えた その間主任には車の中で待っててもらった 「別に主任だし、どうでもいいよね?」 主任に良く見られたいとか、そんな気持ちは全くない…… 「化粧も落としちゃおうかな……」 ……いや、さすがにそれは勇気がいるな…… また何言われるかわかんないしね…… 素っぴんだとえらい幼く見られてしまう事が多いから嫌なんだよね…… ひどい時なんて中学生と間違われた事もある……と言っても少しボケちゃってる近所のおばあちゃんにだけど…… 「う~ん……」 まぁ、化粧はとりあえずこのままで、念のため一応メイク落としを持っていこうかな バックにメイク落としと洗顔クリームを入れ、ふと考える…… 「一応、明日の着替えも持ってこいよ」 車を降りる私にそう言った主任の言葉を思い出す…… それって泊まるってこと? いやいや、それは無いでしょ…… でも、酔っぱらって面倒くさくなっちゃって……って事も考えられる……? 考えたくないけど、私の事だから有り得る? まぁ、主任だし変な事には絶対にならないと思うから……一応念のために持ってくか、念のためにね……保険みたいなもんだよ…… 少し大きめのバックに明日用の服と、一応、一応だよ、念のために下着の替えを入れ、メイク道具も念のために一通り持ち、下で待ってる主任のもとへと急いだ 「お待たせしました」 私の手荷物の多さをチラッと確認すると満足そうにニヤリと笑い 「よし、行くか!」 そう言って軽快に車を発進させた        
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