10516人が本棚に入れています
本棚に追加
/772ページ
履歴から主任の番号を呼び出し電話をかけた
プルル~プルル~プルル~
1回2回3回……呼び出し音より自分の心臓の音がうるさいし、スマホを持つ手が震えている
プルル~プルル~
4回5回……これ以上はしつこいと思い切ろうとした時、呼び出し音が途切れた
「あ、あの……もしもし……
えっと出張中にすみません、長嶋です」
緊張で声が裏返ってしまった
(うぅ……恥ずかしい……)
ん……?あれ?確かに電話繋がったのに何も言ってくれない……
もしかして留守電?それとも切れた?
「あの……もしもし……主任?」
「もしもし、長嶋さん?」
「…………え?……柳川さん……?
あ、あのこれ……えっと主任の携帯ですよ、ね……?」
「フフッ、そうよ大和の携帯で間違いないわ
ごめんなさいね、今大和シャワー浴びてるのよ、何か急用だった?出たら伝えておくけど?」
シャワー?主任がシャワー浴びてるって事はホテルの部屋って事で……
でもどうして柳川さんが主任の部屋に居て主任の電話に勝手に出るの?
頭の中がパニックだ……
目の前で梓が眉をしかめて私の電話に聞き耳を立てている
「もしもし、長嶋さん?用がないなら切るけどいいかしら?私達これから部屋で飲むことになってるのよ」
「部屋で……飲む……?」
「もう、こっち着いてビックリよ
何かの手違いで2部屋予約したのに1部屋しか取れてなくて……他は部屋一杯で取れないって言うし
でもほら別に私と大和の仲だし一緒でもいいって大和が言うから
私にとっても好都合だしね
そういうことだから、悪いけど邪魔しないでね、じゃあね」
そう言って電話は切れてしまった
「何!?どうしたの!?何があったの!?」
梓が怖い顔で身を乗り出して聞いてくる
私はスマホをカタンと静かにテーブルの上に置き、今の電話の内容を梓に告げた
最初のコメントを投稿しよう!