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「胡散臭いわね、それ……
柳川さんの自作自演じゃないの?」
私の話を聞いた梓がまず開口一番にそう言った
私はそんな梓の言葉も耳に入ってこない程に動揺していて、もう泣き出したい気分だ……
「手違いで1部屋しか取れてないってのも怪しいわね……だいたいそんな事ってあるの?予約入れたの総務でしょ?どうも嘘くさいわ!
まぁ、どちらにしてももう少し時間を置いてかけてみましょう
もしかしたら主任からかかってくるかもしれないし」
「ううん、梓もういいよ……
私、今主任とは上手く話せる自信ない……
それに柳川さんだって、そんなバレる様な嘘はつかないと思うし……
きっと柳川さんの言う通り、今から二人で部屋飲みして同じ部屋に泊まるんだよ
……良かったじゃんね、お互い好きだったんじゃない?
柳川さんに言われた通りもう邪魔はしないよ……だから電話はかけない
なんかごめんね……せっかく色々話聞いてもらって励ましてくれたのに……
戦う前に負けちゃったよ、本当私ってダメダメだね……」
我ながらウジウジしていてウザいと思う!……でも今だけ……今だけは言わせて下さい、明日からはもう言わないから
「双葉……
双葉はこれでいいの?
主任の口からちゃんと聞かなくていいの?
主任より柳川さんの言葉を信じるの?」
少しだけ梓が怒ってる……?
無理もないか……私のウジウジ振りにムカムカしてるんだと思う
でも梓……私にはこの現実に立ち向かう勇気はありません
生々しい現実を目の当たりにして、今までキャピキャピ浮かれてた自分に腹が立つ!!
「梓……私にはやっぱり無理だよ
主任の事好きだけど……打ち明けるなんて出来ない、彼女がいる人にフラれる覚悟で気持ちを打ち明けるなんて出来ないよ
だから言わない
暫くはまだ好きと言う気持ちが消えてなくならないと思うけど……でもいつかは忘れられるかな?」
「なら相場さんと付き合ってみたら?」
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