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電車に乗り込み車窓に映る自分の姿をじっと見つめる
(ハァ……何でいつもこうなんだろう……)
もしかしたら主任も私の事を……なんて、少しでも思っていた自分に呆れるよ
もしかしたらも何も、主任は私の事なんて全くこれっぽっちも何とも思ってなかったんだよ……ちょっとからかわれただけ
主任にとっては据え膳食わぬはなんちゃら~ってやつ?それだよ、それ!!
そして私はまんまと食べて頂けてお互い合意のもとに交渉成立って感じ?
(バカみたい……私……
主任なんて今まで苦手だったのに……なのにどうしてこんなに苦しいの……)
今、ホテルの部屋で主任と柳川さんが二人きりで楽しく話ながらお酒飲んで……
その後いい雰囲気になって……そのまま二人で朝まで……
(あーー!!止めて止めて!そんな妄想、脳内から出てって!)
首をブンブンと横に振って無理矢理邪念を追い出してみたが、すぐにまた同じループに突入してしまう……
(ダメだ、じっとしてると考えちゃうから駅に着くまで仕事でもしよう)
空いてる座席に座りバックからスマホを取り出そうと手を突っ込む
…………あれ?……え?……また……?
バックの中を漁ってもスマホらしきものは見当たらない……
「あっ!」
急に思いだし声をあげると向かいで寝ていた人がパッと起きて辺りをキョロキョロ見渡している
私は慌てて手で口を押さえ俯いてその場をやり過ごす
向かいの人が再び寝入ったのを確認した後でそっと顔を上げた
(スマホ、テーブルの上に置いてきちゃった……でもきっと梓が気付いて預かっててくれるよね?)
梓に連絡しようかとも思ったが番号わからないし、どうせ明日まで使うことないだろうからいいやって思いそのまま家に帰った
最近スマホよく忘れるな……気を付けなきゃ……
いろんな情報入ってるから落としたりしたら大変だ……って、既に常習犯だけど……
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