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「立てそうか、グルガン」
「ああ、立つだけなら……な」
膝は砕かれ羽は凍らされ、全身の神経は焼き切れる寸前であり、正に満身創痍と言う言葉が相応しかった。
「治癒を行います」
「いや、今はしなくていい。どうせ膝や翼を治しても、暫くはまともに動けはしないからな」
「しかし……」
「それよりも、音のした方に向かう方が先だ。ここまで来て狙撃手に逃げられてはたまらない」
グルガンはブランクの肩を借りてふらつきながら歩き始めた。しかし、その覚束無い足首を倒れているシリウスが握り締める。
「レ、レピンスは……僕が、僕が雇ったんだ……だから……」
「そうか、狙撃手の名はレピンスと言うのか」
「だから、殺さないで……!」
「・・・・・・」
その一言を残し、シリウスは力尽きて気を失った。
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